今回は、放課後等デイサービスについてご紹介していきます。
これまで、私のブログの中で「放デイ」という言葉を何度か使ってきたと思いますが、これは放課後等デイサービスのことです。
障害福祉や教育とは無関係の方に、自己紹介で「私は放課後等デイサービスで働いています。」と話すと、「え、何それ?」という反応をされることが多いです。
一方で、放課後等デイサービスの事業所数は増加傾向。
私が住んでいる地域でも、新しい事業所が増えてきています。
放課後等デイサービスについて知っている、理解してくれる人が1人でも増えればいいな、と思います。
何をするところ?
放課後等デイサービス(以下、放デイ)は、障害がある子どもを対象に「療育」をする施設です。
どんな療育をするのかは、事業所によって違いがあります。
制度的には、放デイの役割として次の3つが挙げられています。
①子どもの最善の利益の保障…子どもの生活スキルやコミュニケーションスキルを伸ばしたり、さまざまな活動を通して余暇を楽しんだりできるように支援します。
②共生社会の実現に向けた後方支援…地域のイベントや遊び場に出かけるなどして、地域の方と関係を築いていく土台を作っていきます。
③保護者支援…保護者に寄り添いながら、子どもとの関わり方についてアドバイスをしたり、レスパイト(保護者が一時的に休養すること)のために子どもを預かったりします。
どんな人が利用するの?
小学1年生〜高校3年生の障害がある子どもが利用できます。
特別支援学校、特別支援学級、通常学級、どこに通っているかに関係なく、障害があれば利用することができます。
「障害福祉サービス受給者証」を交付されると利用開始になります。
障害者手帳を持っていなくても、「このお子さんには支援が必要だ」と自治体が判断すれば受給者証を交付してもらえるので、グレーゾーンのお子さんも通える可能性があります。
いつ、どうやって通うの?
放課後や、土日祝日、長期休業中(夏休み、冬休みなど)に通います。
「日中の、学校以外の時間」と言うとイメージしやすいでしょうか。
ただし、事業所によっては平日しか通えないなど、利用できる日が限られているところもあります。
利用できる時間も事業所によって違いがあり、3〜4時間などまとまった時間利用できるところもあれば、個別療育の時間に1時間だけなど短時間利用のところもあります。
どうやって通うかも、事業所によって違います。
◎職員による送迎…学校やご家庭に、職員が車で送迎にうかがいます。
◎保護者による送迎…保護者が子どもを連れて、放デイの送り迎えをします。
◎子どもが自力で通う…徒歩や公共交通機関を使って、自立で放デイに通います。
私が知っている範囲では、職員による送迎がある放デイが多いように感じます。
地域によっても、差はあるかと思いますが…
どんな職員がいるの?
それぞれの放デイにどんな職員がいるか、特に⑤~⑨のような人がいるかどうかは、施設によって状況が違っています。
「箸や鉛筆の使い方をOTさんに指導してほしい」「言葉の発達が心配だからSTさんに見てもらいたい」などのニーズがある場合は、その放デイにどんな職員がいるのかを確認するといいかもしれません。
①管理者
施設全体を統括する、施設の責任者。
②児童発達支援管理責任者(児発管)
子どもや保護者のニーズ・課題を聞き取り、どのような支援をするか全体の方針を示す。管理者と兼任の場合もある。
③保育士
子どもの発達や遊びに詳しく、普段の支援の中心になる。
④児童指導員
学校や児童福祉の仕事の経験があり、普段の支援の中心になる。
⑤理学療法士(PT)
歩行や姿勢、運動など、体を動かすことの専門家。
⑥作業療法士(OT)
指先の細かい動きや、認知機能(脳の働き)の専門家。
⑦言語聴覚士(ST)
言葉や飲み込みの発達の専門家。
⑧公認心理士(CP)
心の発達の専門家。
⑨看護師
主に、医療的ケアが必要な子どもを受け入れる放デイに配置されている。
服薬管理や痰の吸引など、医療的なケアを行う。
どうやって利用を始めるの?
利用開始までの大まかな流れは次の通りです。
①問い合わせ
利用したい・見学したい放デイに、問い合わせをして、見学の申込をします。
保護者が自分で問い合わせることもできますし、相談支援事業所の相談員にサポートしてもらうこともできます。
②見学
放デイに出向き、どんな施設なのかを実際に見て確かめます。
保護者だけで行くこともできますが、子どもも一緒に行ったほうが、放デイが子どもに合っているか確認することができるのでおすすめです。
③障害福祉サービス受給者証の申請
お住いの市区町村の役所で、受給者証の申請を行います。
申請の際には、基本的に相談支援事業所で作成してもらう「サービス利用計画」が必要ですが、自治体によっては「セルフプラン(本人や保護者が自分で計画を立てること)」でも大丈夫なケースもあります。
④利用契約
自治体から受給者証を交付されたら、利用する放デイと契約を結びます。
⑤利用開始
費用はどれくらいかかるの?
かかる費用は、利用料+実費(おやつ代、昼食代、外出活動の費用など)です。
利用料は、世帯収入によって変わります。
非課税世帯(生活保護・低所得など)…0円
世帯所得900万円まで…4,600円
世帯所得900万円以上…37,200円
次回は、児童発達支援について書いていこうと思います。
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