今回は、私の発達障害の特性についてお話していきたいと思います。
発達障害は、例えば同じ「ASD」と診断された場合でも、AさんとBさんでは特性が違います。
また、特性が強く出ているかうっすらと出ているか、単独か(ASDのみ、ADHDのみ、LDのみ)重複しているか(ASD+ADHD、ASD+LD、ADHD+LD、ASD+ADHD+LD)によっても特性の出方は違ってきます。
周囲の人とどう違っているか、何が得意で何が苦手か、普段の生活にどんな困りごとがあるかは、個人差がとても大きいのです。
発達障害の特性がある人全員が、私と同じ困りごとを抱えているわけではありませんが、特性が日常生活にどんな影響を与えるのか、ひとつの例としてご覧いただければと思います。

アミの特性(ASD、ADHD)
1.聴覚過敏
2.空気が読めない(相手の状況や気持ちが読み取れない)
3.日本語のリスニングが苦手
4.初めての状況(特にアクシデント)が苦手
5.融通が利かない
6.話すペースが遅い、雑談が苦手
7.時間管理が苦手
8.片付けが苦手
9.コツコツと積み重ねることが得意(「人との信頼関係」は例外)
10.知識の習得が得意
11.情報収集が得意
12.文章や図表で伝えることが得意
今回は、1.と2.について書いていきます。
1.聴覚過敏
花火やピストル、風船が割れる音など、突発的に鳴る大きな音が苦手です。
動物の鳴き声は、猫や羊などの声なら平気ですが、犬やライオンなどの鳴き声は苦手です。
先日も動物園に行ってきましたが、ライオンの鳴き声でパニックにならないようにずっと耳栓をしていました。(幸い、ライオンの鳴き声は聞こえませんでしたが…)
また、以前職場で、紙鉄砲を作って遊んでいるお子さんがいたのですが、何度も繰り返し鳴る音に耐えられず、パニックになったこともあります。
ただ不思議なことに、子どもたちが大声で叫びながら遊んでいる時は、周りの大人が「うるさい!」と言っていても、「え、そう?」とケロッとしています。
おそらく、静かな時に急に大きな音が聞こえる、音の大きさの “差” が苦手なようです。
私は次の3つのことをして、聴覚過敏対策をしています。
①危険な場所には近づかない…市内の花火大会やお祭りなどの情報を集めて、苦手な音が聞こえそうな場所にはできるだけ近づかないようにしています。
②耳栓やイヤマフをする…やむを得ず、苦手な音が聞こえる場所に行く時は、耳栓やイヤマフを使います。状況によって、耳栓、ノイキャン機能(※)付きのワイヤレスイヤホン、イヤマフを使い分けています。
※ノイキャン機能…ノイズ・キャンセリング機能。外部の音(ノイズ)を聞こえにくくしてくれる。
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③周囲の人に伝える…家庭や職場など身近な人には、聴覚過敏があることを伝えています。
苦手な音が聞こえる場所、または聞こえるかもしれない場所に行く時は、「感覚過敏研究所」から販売されている缶バッジを目立つところに着けます。
「苦手な音があります」という言葉と、ウサギが耳をふさいでいるイラストで、とても分かりやすいです。
視覚過敏や触覚過敏など、他の感覚過敏に対応した商品もあります。
2.空気が読めない(相手の状況や気持ちが読み取れない)
この特性は、社会人になってから顕在化しました。
一番困ったのは「ちょうどいい報連相ができない」ことです。
報連相をするためには、何を・誰に・いつ・どんな方法で伝えるかを考えなければいけません。
以前の職場では、働き始めたばかりの頃「分からないことがあれば、何でも聞いて」と言われたのですが、分からないことをその都度質問しに行ったら「それくらいは自分で考えて」と言われるようになりました。
そこで、ある程度自分で考えて、どうしてもわからない時は質問しに行くようにしたら、今度は「なんで何も相談しないんだ」とお叱りを受けました。
相手が忙しそうにしているのに気づかずに話しかけて、お叱りを受けたことも一度や二度ではありません。
また、相手の気持ちを読み取ることが苦手で、相手が今どんな気持ちか、自分の言動で相手がどう感じるかに気づくことがうまくできません。
そのため、何気なく言った一言や、相手のことを思って言った一言で、相手を怒らせてしまうことが度々ありました。
相手の気持ちを読み取れないことで起きるもう一つの困りごとは、周囲の人間関係に無頓着なことです。
私は放デイで働いていますが、職場の中でも「子ども同士(A君とB君)」「子どもと職員(A君とC先生)」「職員同士(C先生とD先生)」色々な関係性があります。
例えば、他の職員から「A君とB君、仲が悪いから別のチームにしたほうがいいかも」という話を聞いて初めて、A君とB君が仲が悪いことに気が付く、ということがよくあります。
コミュニケーションの専門家、言語聴覚士として致命的な弱点ですが、もう「苦手なものはどうやっても苦手」と割り切っています。
人間関係の把握には他の職員の力を借りて、認知機能(脳の働き)の視点から、どうすれば関係性を改善できるか考える、という方向に思考を全振りしています。
2項目でこんなに長くなるとは…
続きはまた次回の記事で書いていきたいと思います。
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