療育入門~STが教えるコグトレ~

療育の話

9月後半、やっと秋らしい気温になってきましたね。
長袖か?半袖か?服選びで迷う日がしばらく続きそうです。

さて、今回のテーマは「コグトレ」。
アマゾンや楽天市場で療育関係の本を探していると、見かけることが多いのではないでしょうか?
療育・教育の現場で、実際にコグトレをやっている方もいるかと思います。

今回は、
「コグトレって何?」
「聞いたことはあるけど、どうやってやるの?」
という方向けに、コグトレを紹介していきます!

コグトレとは?

コグトレは、 “Cognitive Training(認知トレーニング)” の略で、精神科医の宮口幸治氏が中心となって考えられた療育方法です。



新しいことを学んだり、周りの人とコミュニケーションを取ったり、社会生活でうまく立ち回ったり、といったことをするためには、大雑把にですが、下の図のような力が必要になります。

ピラミッドの土台になっている「見る力」「聞く力」「触覚」「身体の動かし方」がしっかり積み上げられていないと、その上の「集中力」「記憶力」「考える力」もガタガタになってしまいます。

この状態では、「学校の授業についていく」「友達と仲良く過ごす」「ルールやマナーを守る」といったことが難しくなってしまいます。

コグトレには、下の図のようなガタガタのピラミッドを、上の図のようなきれいなピラミッドに近づけていくための、3つのトレーニング方法があります。
1つ目は、ピラミッドの土台となる「見る力」「聞く力」を伸ばす “N-COGET”。
2つ目は、ピラミッドの土台となる「見る力」「身体の動かし方」を伸ばす “COGOT”。
3つ目は、「考える力」を使ってコミュニケーション力や社会性を伸ばす “COGST”。

それぞれ、どんなトレーニングをしていくのか、詳しく見ていきましょう⇓⇓

コミュニケーションや学習の土台~N-COGETコグイーティー~

お子さんのレベルに合ったプリント課題に繰り返し取り組むことで、「見る力」「聞く力」を伸ばしていきます。

2025年9月現在、「もっとやさしいコグトレ」「やさしいコグトレ」「すこしやさしいコグトレ」「(普通のレベルの)コグトレ」の4種類が発売されています。
この中から、お子さんが「少し考えて自力でできる」~「ほんの少しヒントを伝えればできる」レベルのプリントを選んで、取り組んでいきます。

レベルに合ったプリントを選ぶのがミソで、お子さんの力もぐんぐん伸びますし、何よりお子さんがやる気を出します。
普段じっと座っていられないお子さんが「もう1枚プリントやりたい!」と言ってくれた時には、心の中でガッツポーズしています(笑)。





身体の使い方を身に着ける~COGOTコグオーティー~

体操やゲームなど、身体を動かす課題に取り組みます。
「運動が苦手」「手先が不器用」「力加減ができない」「じっとしていられない」といった困りごとがあるお子さんと取り組んでいきましょう。

遊び感覚・ゲーム感覚で取り組めるので、楽しく取り組むことができます。


コミュニケーション力を鍛えよう~COGSTコグエスティー~

表情やシチュエーションから、「相手の気持ち」や「どう行動すればいいか?」を考えていくことができます。

ある程度ピラミッドの形が整って、「考える力」が伸びてきたお子さん向けです。

日常生活でよくある「困った状況」に対して、状況を整理したり、解決策を考えたりします。
落ち着いて考えられる時に「解決策のストック」をしておくことで、いざという時に適切な行動ができることを目指します。
お子さん一人で取り組むだけでなく、お子さん数人で意見をシェアすることもできそうです。



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