発達障害って何?

福祉の話

今回のテーマは「発達障害の基礎知識」です。
発達障害についての情報発信をするブログなので、やっぱりここは外せません。

皆さんは「発達障害」と聞いて何をイメージするでしょうか?

「私(僕)も発達障害の診断受けてるよ」
「診断はないけど、発達障害の特性はありそう」
「周り(身内や職場)に発達障害の人がいるよ」

という人もいれば、

「発達障害?何それ?」
「聞いたことはあるけどよく知らない」
「コミュ障な人」
「勉強ができない人」
「おっちょこちょい」
「変な人」

など、人によって、色々なことをイメージするかと思います。

今回から、発達障害全般についてと、各発達障害(ASD、ADHD、LD)について書いていきますが、ASDとADHDについては「私の場合はこんな特性があるよ」というのもお伝えできればと思います。
発達障害とは、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD(限局性学習症)の3つを合わせた呼び方です。
図の中の、黒い文字で書かれている3つですね⇓

ASDは、コミュニケーションの取り方が独特だったり、物の見え方や聞こえ方が少し違っていたりする状態です。
ADHDは、集中力が続きにくくケアレスミスが多い、気になることがあると衝動的に動いてしまうといった特徴があります。
LDは、知的な遅れはありませんが、読むことや書くこと、計算することがうまくできない状態です。

一言で「発達障害」といっても、何が苦手かは人によって大きく違います。
また、ASDとADHDの場合は、知的な遅れがある人もいれば、ない人もいます。
なので、偏差値の高い大学に行くような人でも、ASDや ADHDの診断を受けることがあります。

発達障害って、新しい障害??

結論
発達障害の特性がある人は昔からいましたが、そのことが「発達障害」として認識されるようになったのはごく最近です。

今でこそ、「発達障害」という言葉はテレビやインターネット、書籍など色々なところで目にするようになりましたが、20年以上前は「発達障害なんて知らないよ」という人が今よりもずっと多かったと思います。
教育の世界では、1970年代に「発達障害」の概念がアメリカから持ち込まれ、その頃から自閉症(現在のASD)が特殊教育(現在の特別支援教育)の対象となってきました。
ですが、当時特殊教育の対象となったのは、主に「知的障害も自閉症もある子ども」でした。
また、学校の先生方の中でも、自閉症のことを知っている人はごく一部だったと思われます。
そのため、「知的障害がない発達障害者」は、生きづらさを感じていても自力で何とかしていくしかない状況でした。

「発達障害」という言葉が世間一般の人の目にも触れるようになったのは、2000年代に入って、発達障害者支援法(2005年)や障害者自立支援法(2006年 ※現在の障害者総合支援法)などができてからです。
2010年には発達障害がある人も精神障害者保健福祉手帳(いわゆる障害者手帳)をもらえるようになり、困っている時に公的な福祉サービスを受けられる環境は整ってきました。
ただ、日常生活を送る家庭や学校、職場などで、発達障害の特性を理解して受け入れてもらえるかどうかはケース・バイ・ケース、というのが現状です。

発達障害の診断を受けていても、どんなことで困るのか、どんなサポートが必要かを周りにうまく伝えられない人もいます。
発達障害の特性があって日常生活で困ることが多くても、発達障害だと気づかずに、診断も支援も受けられない人もいます。
身の回りに発達障害の人がいるけれど、どう関わればいいかわからない、という人もいます。
特性上苦手なことがある、ということを伝えても「そんなのはただの甘えだ!」と受け入れてもらえないこともあります。

もちろん、発達障害当事者も、苦手なことや嫌なことを全部「特性上苦手だからできません」と突っぱねてばかりではいけません。
「全部は無理だけど、ここまでならOK」とか、「Aはどうしても無理だけど、代わりにBならできる」とか、そういう歩み寄りは必要だと思います。
そのうえで、当事者の周りの人たちには、苦手な部分のフォロー、支援や配慮をお願いしたいです。

私見ですが、発達障害がある人の周りにいる人たちって、こんな感じじゃないかな、と思っています⇓(統計データがあるわけではないので、あくまでも私が感じる印象ですが…)

発達障害のことをよく知らず、距離を置いたり突っぱねたりする「未理解群」がまだまだ多い印象です。
一方で、発達障害があること、特性上苦手があることを伝えると「そうなんだ!」と飲み込んでうまく対応してくれる「潜在的支援者群」も一定数います。
そして少数ですが、特性があることを伝えていない、または特性があるけど診断を受けていない場合でも、特性に合った接し方をしてくれる「純支援者群」もいます。

この状況を変えていくために、まずは「未理解群」を「潜在的支援者群」にしていけたらいいな、と思っています⇓

ひとまず今日はこの辺で…
ではまた。

※「未理解群」「潜在的支援者群」「純支援者群」はアミの造語です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました