空気は読めないが今日も生きてます。

ASDの特性がある人は、その特性ゆえに、自覚なく「空気が読めない」と言われてしまう言動をしがちです。

今回は、最近職場で起こったアミの「空気読めない」エピソードと、そのエピソードについて思ったことを書いていこうと思います。

エピソード①

先日、新しく入ってきた職員AさんとBさんからある相談が…。

Aさん「CさんとDさんって、なんかギクシャクしてますよね。」
Bさん「私たち、どう接すればいいですか?」

アミ「…CさんとDさんって、ギクシャクしてるんですか?」

Aさん・Bさん「…え?」
アミ「…え?」

CさんもDさんも、アミとは年単位でお付き合いのある方ですが、ギクシャクしているのには全く気づいておらず…。
職場に来たばかりのAさんとBさんのほうが、2人の関係性を敏感に察知していました。

当然、相談されてもアミがアドバイスをできるわけもなく…。

もともと「空気が読めない」自覚はありましたが、そのことを改めて実感するエピソードでした。

エピソード②

私は、週に1回、法人内の別の事業所で仕事をしています。

その事業所は、法人内でも有名(?)な「空気が重い」場所。
お互いに仲の悪い職員さんが多いそうで、
「空気が重い」
「空気が悪い」
「あそこには行きたくないな…」
というのがもっぱらの評判。

なのですが…

アミはその空気の悪さを全く感じ取れません(笑)。

先日も、私がその事業所で仕事をしていると、他の事業所からEさんがやって来ました。
後日、アミがEさんと会って話した時に、
「あの日、事業所の空気めっちゃ悪かったけど、大丈夫だった?」
と本気で心配されました。

でも、当の本人は空気の悪さに全く気付いていないので、メンタルのダメージはゼロ。
「え、そうなの?空気悪いの?」
って状態です。

そのおかげで、周りに振り回されず、自分の仕事に集中できています。
もともと、「周囲と話すのが好き」というより「黙々と事務作業をこなすのが好き」というタイプなので、地雷を踏まずにすんでいるという面もあるかもしれません。

「空気読めない」がプラスになってる、レアなパターンですね。

「空気が読めない」はなぜ起こる?

ASDの特性がある人が「空気が読めない」と思われてしまうのには、いくつかの理由が考えられます。

「非言語的な情報」を読み取るのが苦手

人が「空気」を感じ取るとき、実は表情のわずかな変化、声のトーン、視線の動き、その場の沈黙といった、言葉になっていない情報を無意識のうちに大量に処理しています。
ASDの特性がある人は、こうした非言語的な手がかりを自然に拾い上げることが苦手な場合があり、周囲が感じている緊張感や不穏な空気そのものに気づきにくいことがあります。

エピソード1のように、関係性の悪化に「そもそも気づいていない」というのは、まさにこの特性の表れといえるでしょう。

「暗黙のルール」を推測するのが苦手

「空気を読む」という行為は、言葉にされていない場のルールや期待を、状況から推測して補う作業でもあります。

多くの人はこれを意識せずに自動的に行っています。
でも、ASDの特性がある人にとっては、明示されていない情報を推測すること自体にエネルギーが必要だったり、そもそも「察するべき」という発想が前提として持ちにくかったりします。

感覚の感じ方そのものが、人と異なる

エピソード2のように、他の職員が「空気が重い」と感じる場でも、私にはその重さがまったく感じられないということが起こります。
これは「気にしないようにしている」のではなく、そもそも「その場の緊張感を感知するアンテナの立ち方が異なっている」と考えるほうが、私の感覚にぴったり当てはまります。

こうした特性は、決して「人の気持ちに無関心」「配慮が足りない」ということを意味するわけではありません。
受け取る情報の種類や処理の仕方が、多数派の人とは異なっているだけなのです。

「空気が読めない」は悪なのか?

「空気が読めない」
それで苦労したり、損したり…。
そういう面は確かにあります。

でも、全面的に否定・非難されるものでもない。
アミはそう考えています。

理由は3つ。

理由①:プラスに働くこともあるから

エピソード②では、空気が悪い場所でも、周囲の影響を受けずに過ごしていることが分かりました。

「空気が読めない」という短所も、発動する場面によっては「周囲に影響されない・パフォーマンスが安定している」という長所に変わります。

理由②:自己肯定感の低下につながってしまうから

「空気が読めない」というのは、ASDの特性によって起こるので、どんなに気を付けてもゼロにするのは難しいものです。

「空気を読んで、周りに合わせられるようにしよう!」
そう考えて、コミュニケーション術を学んで、人と会う時は神経を研ぎ澄ます…。

できる範囲で、そういう努力をすることはもちろん必要。

でも、
「何が何でも、空気を読めるようにならなくちゃ」
「空気が読めないと、生きている価値はない」
と思いつめすぎると、ただただメンタルが削られてしまいます。

そして、発達特性って、努力と根性だけでなくせるものではないので、メンタル削られるわりに、あまり状況がよくならないんですよね。

「空気が読めない」短所を
「どうすればなくせるか?」から
「どう付き合えばいいか?」にシフトチェンジできれば、できることが見つかるかもしれません。

理由③:「ライフハック」と「周りの環境」である程度カバーできるから

私は、前の職場では「空気が読めない」ために大変な思いをすることが多かったです。
でも、今の職場では「空気が読めない」ことに変わりはありませんが、とても生きやすくなりました。

それは、自分なりに特性と向き合って「ライフハック」を身に着けて、さらに「周りの環境」に恵まれているからだと思います。

アミが実践している「ライフハック」
◎口は災いの元。不用意にしゃべらない。
◎周囲の会話を聞いて、情報収集。
例:「FさんとGさんは仲が悪い」という話を聞いたら、2人を別々のグループにするなど。

「周りの環境」
◎上司・同僚が私の特性を理解してくれている。
⇒言葉での情報提供をしてくれる。多少の「空気が読めない」言動は受け流してくれる。
◎仕事の相手が、発達特性のある子ども。
⇒自分と似ている部分が多かったり、気持ちの表現がストレートだったりして、アミでも相手の気持ちや状況を読み取りやすい。

発達特性による生きづらさ
これは、完全になくなることはないし、努力をしても今日明日に成果は出ないかもしれません。

でも、
①自分の特性を知ること
②自分なりの、無理のない「ライフハック」を見つけること
③特性があっても「困りにくい環境」に身を置くこと
これができれば、今感じているつらさ・しんどさが軽くなっていくはずです。

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